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寂しいな、ちょっと。 [テレビ番組制作日誌]

ETV特集「目覚めよ身体,感覚の宇宙〜メディアアーティスト岩井俊雄の特別授業」
ようやく放送。珍しく嫁さんと見る。

企画は去年の8月に、会社のプロデューサーからもらった一本の電話で始まった。とはいえ、そんなにドラマティックなワケじゃないけど。

ある番組のMA中に知らないケイタイ番号から着信が…。
取材先の人かなあと思ったら、その社内プロデューサー。もちろん面識はあるし、挨拶はするけど、ほとんど話したことはない方だ。だからケイタイの番号も知らなかったし、登録してなかった。

内容は、岩井さんが特別授業をやるんだけど取材しないか…とのこと。さらに岩井さんがボクを指名してきたという。それは断れないじゃないですか。
岩井さんとは3、4年前に一度対談番組に出演していただいて以来、お互い歳の近い子どもがいることからか、絵本が出れば送っていただいたり、イベントや番組があると教えていただくような関係だった。

さっそくプロデューサーと会い、明後日までに企画書にしろという、優しい言葉を頂いて、待機中にロケ車の中で企画書を仕上げた。事前に岩井さんがNHK側と話していただいていたこともあり、無事成立。岩井さんとも何度か打ち合わせをして、番組の方向性を提案した。

ほぼ同時に撮影も開始して、この頃はカメラマンも決まっていないので、ボクが一人でデジをかついで撮影に…という感じ。でも、この画が最終的にはかなり使われることになる。

社内のプロデューサーは、企画を持ってきた方ではなく、結局旧知の友人に頼んでいたんだけど、NHKとの仕事が多い彼に「打ち合わせやチェックはボールペンのインクが無くなるくらいノートに書き込むから、あたらしいペンを用意した方がいい」という名言を頂き、度肝を抜かされた。

今回、局側の担当者も岩井さんと幾度か仕事をされたことがある方。初めてあったのは徹夜でロケ構成を仕上げ、持っていった時。飄々としているもなかなか手強そう。これは、ホントにボールペン1本じゃ足りないかも…と思った。ところが、ボクの構成にざっと目を通すと「まあ、ロケが始まらないと分からないよね」と、非常に真っ当なことを言い残し、解散。あちらに到着してから、そこを出るまで、待ち時間を入れて10分弱。結局ノートには一文字も書かず。
この局のプロデューサーは本当にすごい方だった。現場にも何度か来たのでその場で相談にのってもらったし、編集中も非常に的確な指摘。ディレクターの意図をすごく尊重して、上の人と掛け合ってくれたりもした。

かなり初期の段階から、カメラを複数入れるつもりだったので、ディレクターを一人引きずり込んだ。結局はこれが大正解だった。ボクをたててくれつつ、現場での判断をある部分ゆだねられる。それにロケ後に毎回変わる方針を遅くまでつきあって一緒に悩んでくれた。

カメラは今回局側の技術さんを使うことになっていたので、すったもんだの挙げ句、トータルで30日ほどのロケ全てに来ることができるという理由で、30そこそこの若手カメラマン2名に決めた。

ロケは、想像以上に過酷。
まあ、それは自分の要求するところだったので、本気で楽しかったけど。

カメラマンとは声を荒げないまでも喧嘩し、編集さんとは声を荒げて喧嘩した。やり慣れてない環境や、なんというか、作法的なことにぶち切れた。まあ、他にもいろんなトラブルや窮地に戸惑ったし、その都度、一緒にやっていたプロデューサーやディレクターに支えられた。

いろんなことが面倒だと脅されたECSも、なぜか立場が強いので注意と言われたMAのミキサーさんも、すごく優秀で、者を作る姿勢に気合いの入った人だった。
音効さんは、大ベテラン。プロデューサーには今回の予算では受けてもらえないかも、、、と、またまた脅されたけど、あっさり決定。ホントにいい音を付けていただいた。

途中で訳あって(!)変わったアシスタントは、一応既にディレクターとして番組を作っている奴。「要領だけはいい??」彼にも、かなり助けられた。

とにかく、画面に入らない様々なところで、それにクレジットには載らなかった多くの人に、今回は本当に支えられた感じがするし、そういう人たちに恵まれた。すごくいい環境でモノを作ることができた。だからこそ、すごく責任も感じているけど。

実は、これで終わり…じゃないかもしれないので何とも言えないけど、放送に関しては終了。
放送を見ていて、時間が進むに連れて、なんだか少し寂しさを感じた。それくらい「作る」作業に愛着のあった番組。

はたして、どんな風に見ていただけたんだろうか。
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