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ありのままって…思ってるんだね【最終】 [テレビ番組制作日誌]

昨日ほんの少しだけ話題になった漫画家・唐沢なをき氏の番組に関する記事。
http://getnews.jp/archives/29018
まあ、ソース自体が案外がっかりな記事だったので、それ以上話題になってなかったけど…。
記事に「先生」ってなんだかなあ。

唐沢氏の言っていることが全面的に事実ならば、ディレクターを非難するのも分かるし、同じディレクターとして彼を擁護するつもりも無い。

ただ…(ボクはその番組に関して、今のところ詳しく知っているわけではないので、あまり偏ったことは言えないけれど、)多分制作会社が入っているだろうこの番組において、今回のような状況に追い込まれる「流れ」みたいなものがあることは想像できるし、そのディレクターの思惑に関して理解できないことも無い。

どんな番組を作るときでも、ボクだって自分の「想定」は必ず行う。
でも、自分の想定通りに進まないことが圧倒的に多いし、自分の想定なんて軽く超えていく現場がむしろ面白いとボクは考えている。その中から自分が伝えたいことを構築していくことが演出だと思う。

とはいえ、最近それを貫けない状況があることは知っている。知っているというか自分がその中にいたこともある。いつ、「彼」になるか分からない。そういう稚拙な「想定」や「想像」の押しつけのもとモノを作り、伝えてしまう危険性は、わりと近くにある。
今回のことは、そんな状況に置かれてしまった「彼」の不幸と、それを打破するためにかなり無理な方法をとってしまった「彼」の稚拙さが引き起こしたんだろう。
まあ、唐沢某という漫画家が取材の場で、ディレクターへ指摘をしなかったことや(したのかな?書いてないから、わからないが…)、最終的にそのネタをマンガにしているあたりで、この漫画家もなんだか器量が小さいというか、結局は「宣伝に利用しようとしたけど考えとちがってたから取りやめ」的な傲慢さが丸見えで、やり取り自体バカバカしいんだけどね。
マスを誘導したのは結局漫画家なわけで、ディレクター側に反論が出来ないことを十分知っている上でマンガにしたんだろうし。なんだかなあ。

今回、いろんな記事や日記を見ていると、ドキュメンタリーなんだから「ありのままを」とか「事実を」なんて記述が妙に目につく。
ドキュメンタリーなんて、ありのままを伝えるものではないし、事実を伝えるものでもない…とボクは思っている。
ボクが何を感じ、何を伝えたいか、そこから見えてくる、「ボク」という主観のある「真実」を伝えているつもりだ。
森達也じゃないけど、やっぱりドキュメンタリーは嘘をついている(ほんと、そのままで恥ずかしいが)。でも、この言葉をそのまま書くことに危険性も感じる。それはメディアリテラシーについてほとんど学ぶ機会がない今のこの国に於いては…だけど。



さて、ブログを始めるときに自分の中にたてていた目標も達したし、自分のことを伝えたい人には伝えるツールを手に入れたので(以前から送っている「あれ」ですが…>>ちーちゃん)、この辺で終わりにしようと思います。
では。



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コメント 1

ち~ちゃん

その記事読ませていただきました。

私は どのドキュメンタリーも ウソをついている部分は あると
思います。 

だいたい
今までに 制作者の思惑なしに作られたドキュメンタリーなんて
あったんでしょうかねぇ?
それは きっと全然面白くない作品に仕上がると思いますがね。

どの番組にしても 作る側の思惑から出るウソはあると思います。
それが 見る側に 内容がわかりやすいとか、面白いとか 感動し
たとか思わせるんですよね。

まぁ 私が おおざっぱな人間なのかもしれませんがね。
ウソも方便!

ディレクターと先生との相性?が悪かったでしょうか。

どっちがどうとか言えませんが、

多くの人が読むようなHPやブログなどに
自分の怒りを一方的に載せてしまう先生を 
ちょっと大人げないと 
それを読んだ人は思わないかなぁ…。( ̄- ̄)


ところで…

残念(ーー;) ……

お身内にだけでも 
年1回でも 続けてくだされば うれしいのですがね。
by ち~ちゃん (2009-09-22 19:54) 

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